トピックス
同志社大学新島塾「合宿で鍛える知的基礎体力」 ~2日目~
9月6日、新島塾の合宿「合宿で鍛える知的基礎体力」は2日目を迎えました。バイキング形式の朝食を楽しんだ後、セミナー室に集合して2日目に臨みました。
【1日目の様子はコチラ】
次に「イノベーションと起業を繋ぐもの」と題して、井上福子先生(ビジネス研究科教授)によるセッションが行われました。イノベーションを生み、起業に進展させるマインドについて学びました。講義の中で「アルプス山脈で遭難したグループがいた。雪が吹き荒れ、方向もわからず、下山は不可能だと、希望が潰えたと思われた時に、ある隊員が、『地図があるぞ!』と地図を取り出した。人々は『これで助かる!』と勇気が芽生え、見事、下山に成功した。しかし、戻ってきた隊員が握りしめていた地図を取り上げた上官は、驚いた。彼らの見ていた地図はアルプス山脈の地図ではなく、ピレネー山脈の地図だったのである。」というエピソードが紹介された。
この事例に基づき、物事が進まないときに、もっともらしい話やデータを提示することで物事が進むことがあるため、場合によっては正確さより「もっともらしさ」が重要であり、議論が煮詰まった時や意思決定が困難な時に、「もっともらしい」話を提示することがリーダーシップをとる上で必要な力となると学びました。井上先生は、イノベーションに必要な三つの能力とは、「気づく」、「センスメーキングする」、「試してみる」ことであると指摘しました。塾生は、これら三つのスキルを用いて「周りにイノベーション・よりよい変化をつくるためにデザインする」というペアワークを行いました。あるペアは、大学にある食堂の混雑緩和に向けたデザインを考え、他のペアは路上のポイ捨て問題解消のためのデザインを考えるなど、活発に議論していました。
お二人の講義に対しては、佐藤先生から哲学者のカール・ポパーが提唱した反証主義の手続きに基づいて批判をなすことが重要となるとの塾生へのアドバイスをいただきました。反証できる内容であることがアカデミックな言説の条件。「発言を聞き、理解した上で、批判することを試みてほしい」とした上で、例えば、マルクス経済学や論理学の視点から、価値やイノベーション、センスメーキングについて批判する訓練をしてみてはどうかとの補足がありました。
2日目の後半は、KDDIやイー・モバイル(現Y!mobile)などを創業した連続起業家で、千本財団代表理事を務める千本倖生先生によるセッションが行われました。塾生との対話を交えながら、ご自身の経験や半導体の現状や未来、その重要性についてお話いただきました。
千本先生から塾生に向けて大切にするべき四つのことをお伝えいただきました。
1.世界を見なさい
2.リスクを取って新しいことに対して全力でチャレンジしなさい
3.会社は絶対に成長しなければならない
4.感謝をしなさい
世界を見ることによってはじめて日本が分かり「リスクを取って新しい価値観を生む」ことの大切さを知ったと語る千本先生の教えに、塾生は真剣な様子で耳を傾けていました。
次に、佐藤先生と塾長を交え、塾生との対話の時間を持ちました。塾生の「社会で成功する人はどのような人か」という質問に対して千本先生は「心が素直であること、機嫌がいいこと、姿勢をよくすることやおしゃれをすること、人に対して少しでも配慮する、好意を配ること、『ありがとう』を言える人」であるとお答えになりました。さらに、「目には見えないけど確実に存在するものに対する感性をどのように磨くか、ミッションをもつ感覚は?」という質問に対して、千本先生は「人生のなかでロジックで説明できないことある。特別なある事象の時に起こる『量子的飛躍』は必ずある」とお話されました。
(事務局・高等研究教育院事務室)
今回のトピックスは、以下の塾生が作成しました。
新島塾チューター 平山さん(法学部)
新島塾チューター 大倉さん(神学部)
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高等研究教育院事務室 TEL:075-251-3259
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