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【新島塾】「読書から始まる知の探究」林田先生セッション_第1回学習

'22年12月1日 更新
同志社大学新島塾「読書から始まる知の探究」林田先生セッション_第1回学習

活動のねらい

 11月5日(土)に林田 明教授(理工学部)による京都市内のフィールドエクスカーションと「読書から始まる知の探究」第1回目の講義が今出川キャンパスで行われました。このセッションでは自然災害と日本の文化や社会との関係性や自然科学の成果を未来に生かすための方法について考えます。課題図書には『歴史のなかの地震・噴火 過去がしめす未来』(東京大学出版会)の他、何冊かの参考図書が指定されています。そのうち同じ参考図書に関心を持った4-6名程度の塾生でグループを形成して、そのグループ単位で行う学習が、活動の中心です。
 このセッションの特徴的な取り組みとして、2回の全体学習とは別に、淡路島・神戸へのフィールドエクスカーションが実施されます。各自が自分の目で見て感じたことや気づいたことをもとにお互いに意見や議論を重ね、グループ内で広く知識を共有することが強く期待されています。

第1回学習

 希望者を対象に午前に行われたショート・エクスカーションでは、下鴨神社や鴨川デルタ、京都府立医科大学付属図書館横の御土居などを訪ねました。下鴨神社は古代の木々や地形が残されている非常に珍しい場所であること、豊臣秀吉によって作られた御土居が鴨川の氾濫に対する堤防の役割も果たしていたこと、延暦寺で知られる比叡山の形成には花崗岩の貫入が関わっていることなど、実際のフィールドでの見学を通して、同志社大学今出川キャンパス周辺の土地の地理的、歴史的背景を知りました。
 午後の3・4講時に行われた第1回目のセッションでは、まず地震についての小テストに取り組んだあと、林田先生による講義を受け、最後にテーマごとにグループ分けをし、今後の活動について議論しました。
 講義は斉一説の説明から始まりました。斉一説とは「現在は過去の鍵である」と端的に表される、この世界は天変地異(catastrophe)によって創造されたのではなく、日常的に観察される過程の積み重ねや法則に従って形作られるという考え方のことです。世界がどのように創造されたかについては歴史的に様々な説があり、聖書年代学や水成論、洪水説などが唱えられてきました。しかし、科学技術が発達したことでこれらの説は疑問視されるようになり、人類は神が創った自然を直接観察し始めました。そこで、登場してきたのがこの斉一説です。導入部分では、夏の合宿でも取り上げられたチャールズ・ライエル『地質学原理』に新島襄も関心を持ち、創立間もない同志社に図書として所蔵されていたことを初めて知りました。それを聞き、創立当時の同志社と2022年の新島塾が1冊の本で繋がったような気がしました。
 講義では、英語のHazardとDisasterの違いや、「『天災』と『人災』の違いは何か」、「地震とは何か述べよ」などといった問い掛けがありました。しかし、分かっているつもりでも説明するとなるとうまくできず、いかに自分が学問的な定義や用語の意味を知らないか気付かされました。その後、日本における地震の被害の歴史へと話が進み、林田先生から「『現在は過去の鍵である』というが、我々にとって現在とは何だろうか。人間の人生は短く、目にできることは限られている。これは果たして過去の鍵になるのに十分だろうか」という問いや「我々にとっての過去のことを調べ、未来に応用することはできるのだろうか」などといった問いが投げかけられました。
 最後に事前課題として各自が考えた「議論したいテーマ」をもとに、今後の学習に向けたグループ編成を行い、今後どのようにテーマを深めていくか議論しました。その過程では、誰となしに塾生たちが話しはじめ、互いの意見を尊重しながら関心のあるテーマについて擦り合わせる姿があちこちで見られました。あるグループでは、参考図書としてニーアル・ファーガソン「大惨事(カタストロフィ)の人類史」(東洋経済新報社、2022年)を選択しました。本書は災害だけでなく戦争やパンデミックなどの人類にふりかかった惨事について記されています。内容が多岐にわたるため、グループ内で担当箇所を決め「hazardをdisasterにしないようにするためにはどうしたらよいのか」という共通の問題意識を持ってセッションに臨むことを確認しました。

今後の予定

 次回の活動は12月10〜11日の神戸市・淡路島でのフィールドエクスカーションです。1995年に起こった兵庫県南部地震の震災遺構とその関連施設を訪問し、阪神・淡路大震災の背景や今後の地震に備えるための防災知識等を学びます。そして、そこで得た知見からそれぞれの課題に対する足がかりを掴むともに、新たな論点を見つけます。
 フィールドエクスカーションを経て1月に行う第2回活動では、グループごとの発表が行われる予定です。その発表では、必ずしも時流に乗った話題や重要課題の解決策が求められているのではありません。「他のグループや塾生の関心や興味を引くだけでなく、聴衆が新しい視点を得てお互いに議論ができるような」発表を行うことが期待されます。つまり、単に持論を展開するのではなく「自分たち以外の人が、共通して理解できる」内容にすることが大切で、かえって難しいかもしれません。各自が読書やエクスカーションの体験を通じて得たものをグループに還元、共有して取り組むことが求められています。
(事務局・高等研究教育院事務室)
今回のNEWSは、以下の塾生が作成しました。
新島塾第4期塾生 大倉さん(神学部)
新島塾第4期塾生 武田さん(法学部)
新島塾第4期塾生 平山さん(法学部)
新島塾第4期塾生 谷口さん(経済学部)
同志社大学新島塾「読書から始まる知の探究」林田先生セッション_第1回学習

活動のねらい

 11月5日(土)に林田 明教授(理工学部)による京都市内のフィールドエクスカーションと「読書から始まる知の探究」第1回目の講義が今出川キャンパスで行われました。このセッションでは自然災害と日本の文化や社会との関係性や自然科学の成果を未来に生かすための方法について考えます。課題図書には『歴史のなかの地震・噴火 過去がしめす未来』(東京大学出版会)の他、何冊かの参考図書が指定されています。そのうち同じ参考図書に関心を持った4-6名程度の塾生でグループを形成して、そのグループ単位で行う学習が、活動の中心です。
 このセッションの特徴的な取り組みとして、2回の全体学習とは別に、淡路島・神戸へのフィールドエクスカーションが実施されます。各自が自分の目で見て感じたことや気づいたことをもとにお互いに意見や議論を重ね、グループ内で広く知識を共有することが強く期待されています。

第1回学習

 希望者を対象に午前に行われたショート・エクスカーションでは、下鴨神社や鴨川デルタ、京都府立医科大学付属図書館横の御土居などを訪ねました。下鴨神社は古代の木々や地形が残されている非常に珍しい場所であること、豊臣秀吉によって作られた御土居が鴨川の氾濫に対する堤防の役割も果たしていたこと、延暦寺で知られる比叡山の形成には花崗岩の貫入が関わっていることなど、実際のフィールドでの見学を通して、同志社大学今出川キャンパス周辺の土地の地理的、歴史的背景を知りました。
 午後の3・4講時に行われた第1回目のセッションでは、まず地震についての小テストに取り組んだあと、林田先生による講義を受け、最後にテーマごとにグループ分けをし、今後の活動について議論しました。
 講義は斉一説の説明から始まりました。斉一説とは「現在は過去の鍵である」と端的に表される、この世界は天変地異(catastrophe)によって創造されたのではなく、日常的に観察される過程の積み重ねや法則に従って形作られるという考え方のことです。世界がどのように創造されたかについては歴史的に様々な説があり、聖書年代学や水成論、洪水説などが唱えられてきました。しかし、科学技術が発達したことでこれらの説は疑問視されるようになり、人類は神が創った自然を直接観察し始めました。そこで、登場してきたのがこの斉一説です。導入部分では、夏の合宿でも取り上げられたチャールズ・ライエル『地質学原理』に新島襄も関心を持ち、創立間もない同志社に図書として所蔵されていたことを初めて知りました。それを聞き、創立当時の同志社と2022年の新島塾が1冊の本で繋がったような気がしました。
 講義では、英語のHazardとDisasterの違いや、「『天災』と『人災』の違いは何か」、「地震とは何か述べよ」などといった問い掛けがありました。しかし、分かっているつもりでも説明するとなるとうまくできず、いかに自分が学問的な定義や用語の意味を知らないか気付かされました。その後、日本における地震の被害の歴史へと話が進み、林田先生から「『現在は過去の鍵である』というが、我々にとって現在とは何だろうか。人間の人生は短く、目にできることは限られている。これは果たして過去の鍵になるのに十分だろうか」という問いや「我々にとっての過去のことを調べ、未来に応用することはできるのだろうか」などといった問いが投げかけられました。
 最後に事前課題として各自が考えた「議論したいテーマ」をもとに、今後の学習に向けたグループ編成を行い、今後どのようにテーマを深めていくか議論しました。その過程では、誰となしに塾生たちが話しはじめ、互いの意見を尊重しながら関心のあるテーマについて擦り合わせる姿があちこちで見られました。あるグループでは、参考図書としてニーアル・ファーガソン「大惨事(カタストロフィ)の人類史」(東洋経済新報社、2022年)を選択しました。本書は災害だけでなく戦争やパンデミックなどの人類にふりかかった惨事について記されています。内容が多岐にわたるため、グループ内で担当箇所を決め「hazardをdisasterにしないようにするためにはどうしたらよいのか」という共通の問題意識を持ってセッションに臨むことを確認しました。

今後の予定

 次回の活動は12月10〜11日の神戸市・淡路島でのフィールドエクスカーションです。1995年に起こった兵庫県南部地震の震災遺構とその関連施設を訪問し、阪神・淡路大震災の背景や今後の地震に備えるための防災知識等を学びます。そして、そこで得た知見からそれぞれの課題に対する足がかりを掴むともに、新たな論点を見つけます。
 フィールドエクスカーションを経て1月に行う第2回活動では、グループごとの発表が行われる予定です。その発表では、必ずしも時流に乗った話題や重要課題の解決策が求められているのではありません。「他のグループや塾生の関心や興味を引くだけでなく、聴衆が新しい視点を得てお互いに議論ができるような」発表を行うことが期待されます。つまり、単に持論を展開するのではなく「自分たち以外の人が、共通して理解できる」内容にすることが大切で、かえって難しいかもしれません。各自が読書やエクスカーションの体験を通じて得たものをグループに還元、共有して取り組むことが求められています。
(事務局・高等研究教育院事務室)
今回のNEWSは、以下の塾生が作成しました。
新島塾第4期塾生 大倉さん(神学部)
新島塾第4期塾生 武田さん(法学部)
新島塾第4期塾生 平山さん(法学部)
新島塾第4期塾生 谷口さん(経済学部)
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お問い合わせ先
同志社大学新島塾(事務局 高等研究教育院事務室)
TEL:075-251-3259
FAX:075-251-3152
E-mail:ji-ktken@mail.doshisha.ac.jp
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