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ALL DOSHISHA 教育推進プログラム

2018年度 採択プログラム

ALL DOSHISHA論理的思考教育プログラム
産官学連携を中核としたキャリア形成プログラムの策定
安全・安心のための課題解決力をもった良心を手腕とする高度技術系職業人養成プログラム
グローバルマインド養成を目的とした日本人学生と外国人留学生との共修プログラム
ALL DOSHISHA サイエンスコミュニケーター養成プログラム

ALL DOSHISHA 論理的思考教育プログラム

事業者(学部・研究科)

文学部・文化情報学部

概念図

概要図

概要

 本事業では、効果的な論理的思考教育を実践することによって、情報化時代の弊害が顕在化した現代社会において論理的な思考を貫き、合理的な判断力をもって、社会に貢献できる「良心を手腕に運用する人物」を養成することを目的とする。これらの人物には、以下の3つの資質・能力が求められる。

  • 論理エンジン:情報を比較・分析し、異なる論理的道筋を区別し正確に結論を導く能力
  • 論理的読解力・表現力:与えられた論証・論説に含まれる複雑な論理的道筋を正確に分析し、また、自らが同等の論証・論説を構成できる能力
  • 論理適用力:誤りを起こす心理的条件や、誤りを誘う修辞・説得の手法への耐性

 上記の目的を達成するために、本事業では、全学の初年次教育のあり方への提言を含むALL DOSHISHA的な事業として、以下のことを実施する。

  1. まず、文学部ならびに文化情報学部の1年次生を対象に、論理的思考教育の効果的なカリキュラムを開発する。
  2. それとともに、持続可能な指導者養成プログラムを開発する。
  3. 最終的に、初年次教育のコア・カリキュラムとして、本学の文系・理系全学部に向けた質の高いプログラムを開発する。加えて、中・高と連携した論理的思考教育への展開の可能性を探る。

全体像・達成目標

【背景】

 従来は単なる予言であった「情報化社会の弊害」が、ここ数年で具体的な形をとって立ち塞がっている。顕著な例は、ネット上にあふれるフェイク・ニュースであり、SNS等を通じて多くの人々の判断を誤らせ、国政選挙にさえ影響を及ぼしている。また、根拠やソースが怪しいものも含め、自分の考えに合う意見やニュースだけを選んでアクセスする(いわゆる「エコーチャンバー」に入り込む)ことによる思想の過激化や、それに連動する思想の分断化が各国で起こっている。こうした状況は、意見や論説がその「正しさ」よりも、その訴求力、説得性、影響力で評価される傾向を生み、それがさらにフェイク・ニュースや巧妙なプロパガンダの拡散を助長している。

【養成する人物像】

 本事業の目的は、情報化時代の弊害が現実化したまさにこの世界にあって、あくまで論理的な思考を貫き、合理的な判断力をもって、社会に貢献できる人物を養成することである。こうした人物に求められる資質・能力は以下の3点である。まず、複数の情報を比較・分析し、長い道筋を他の道筋と明確に区別しつつ正確に辿って結論を導き、かつ導けない結論についてその理由を正確に認識する能力(論理エンジン)を備えていること、第2に、外から与えられた論証、論説、説明に含まれる複雑な論理的道筋を正確に分析し(論理的読解力)、また、自らが複雑な論理的道筋を備えた論証、論説、説明を構成できること(論理的表現力)、そして、第3に、人の思考が陥りやすい誤った論理的道筋や、誤りを起こしやすい心理的条件、また、誤りを誘う修辞や説得の手法に通暁し、それらに対する強い耐性を持つこと(論理適用力)である。3本学の建学の精神が「良心を手腕に運用する人物」の養成であることに鑑み、本事業の目的はまさしく良心の運用を論理の力で補強することにある。

【プログラムの全体像】

上記の目的を達するために、本事業では、以下のことを行う。

  1. まず、文学部ならびに文化情報学部における1年次生を対象に、論理的思考教育の効果的なカリキュラムを開発する。
  2. それとともに、カリキュラムの継続的な実施・発展のために、指導者の養成プログラムを開発する。
  3. 文学部、文化情報学部で実施したカリキュラムの教育効果を分析し、最終的に、初年次教育のコア・カリキュラムとして、本学の多くの文系・理系学部で採用されるような質の高いプログラムを開発する。
  4. さらなる展開として、中学校・高等学校における論理的思考教育への展開・連携の可能性を探り、真にALL DOSHISHA的な事業となることを目指す。

 事業の流れを「プログラム全体像」に示す。まず、上記1の効果的なカリキュラムの開発のために、本プロジェクトの全期間にわたって、月1回4時間程度の勉強会を実施する。後述する各種の教材データベースに蓄積するデータの選定や、カリキュラムに盛り込むべき知識、教育方法の検討を行う。

 勉強会では、2の指導者養成のための教員研修プログラムの開発も行う。教員研修は、ネットで受講できるようにパッケージ化されたネット研修と、実際の授業で補助業務を行うことによる実地研修からなる。研修は、本学と他の教育機関の専任教員、嘱託教員、オーバードクター、大学院生に広く門戸を開く。これにより、効果的な論理的思考教育を実践する授業を学内外で増やし、情報過多の中ですぐれた論理的思考を貫ける人物を数多く輩出することで、大学の社会貢献の一つとなることを目指す。

 なお、本学で行われる授業に関しては、学期ごとに客観的な指標に基づいた教育効果の検証を行い、関連学会とのインタラクションや、勉強会へのフィードバックを通じて、授業内容と方法の改善を行う。

【達成目標】

達成目標として、論理エンジン、論理的読解力・論理的表現力、論理適用力を備え、合理的な判断力で社会に貢献する人物を数多く輩出することを掲げる。具体的には、本プログラムで提供する科目群が、事業6年目の終了時点で、本学の3分の2以上の学部の初年時教育において選択必修科目として採用され、また、それに対応するために、累積で10名以上の教員研修プログラム修了生を輩出できていれば、当初の目標を達成したとする。

2018年度採択プログラム(ALL DOSHISHA 論理的思考教育プログラム)
2018年度採択プログラム(産官学連携を中核としたキャリア形成プログラムの策定)
2018年度採択プログラム(ALL DOSHISHAサイエンスコミュニケーター養成プログラム)
2018年度採択プログラム(安全・安心のための課題解決力をもった良心を手腕とする高度技術系職業人養成プログラム)
2018年度採択プログラム(グローバルマインド養成を目的とした日本人学生と外国人留学生との共修プログラム)