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【新島塾】「塾生企画 「読書から始まる知の探究」 ~寺田先生セッション〰
12月18日、1月10日、2月21日の3回に渡り、寺田貴教授(法学部)による「インド太平洋の協力と競争」をテーマに塾生企画を実施した。

課題図書である『東アジアとアジア太平洋 :競合する地域統合』、『インド太平洋地経学と米中覇権競争:国際政治における経済パワーの展開』の2冊を講義と並行して各自で読み進めながら、国際政治理論の基礎について学んだ。
1回目(12/18)の講義では、塾生企画のテーマにもあるインド太平洋協力を考えるための土台となる地域主義・地域統合とは何かについて学習した。政治が地域区分を形作っていくことを、実際に存在する世界の貿易協定から紐解いていった。


2回目(1/10)は、1回目の講義を踏まえてより本格的な内容を扱った。地域主義がグローバル主義と相反するという話を皮切りに、米中間での覇権競争について国際政治の理論を用いながら学んだ。今存在する貿易協定がどのように参加国を決定し、協定の内容を調整してきたのかを振り返ることで、アジアにおけるパワーバランスの現状を知った。それを踏まえて、なぜアジア太平洋でも東アジアでもなく「インド太平洋地域」という区分が重要なのかについて考えた。


3回目(2/21)は、米国でトランプ大統領が就任してから1か月の地点だったこともあり、トランプ大統領の再登場が今後のインド太平洋地域の経済秩序にどのような影響を与えるのかについて考察を行った。他にも、国際政治学と国際経済学が融合した地経学を学ぶ意義を「経済力は政治的影響力の源泉」という言葉を通じて感じることができた。

新島塾の6期生の中には、法学部政治学科の学生がいないため参加した塾生全員にとって新しい学びを得られる貴重な機会であった。また、理論だけを学ぶのではなく寺田教授が国際政治の最前線で活躍する中で実際に経験した話などを織り交ぜながら講義が進んでいった。
そのため、学生だけでは知ることのできない現場の情報にも数多く触れることができた。ニュースで報道されている一つ一つの出来事は、背後にあるより大きな政治的思惑によって生まれている。理論を学ぶことによって、物事の表面ではなく本質的な部分について考えを巡らせるようになった。そして、社会の出来事を連続的な視点で見る力を養うことができた。
(事務局・高等研究教育院事務室)
今回のトピックスは、以下の塾生が作成しました。
新島塾第6期生 伊藤さん(経済学部)
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