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トピックス

【新島塾】富山県臨地研修 ~ 1日目 ~

2024年6月25日 更新

垣見先生セッションの富山臨地研修が6/1から2日間行われました。
この臨地研修では万葉集にゆかりのある土地を訪れることによって、課題図書を踏まえてより万葉集への理解を深めることを目的としています。

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1日目には大きく分けて、5つの場所を訪れました。

 1か所目の場所は雨晴海岸です。雨晴海岸は万葉集の代表的歌人である大伴家持が訪れるたびに絶賛をしていたとされるほどの美しい景色が広がっています。横断歩道を渡り、踏切から海岸に行くまでの景色は、アニメーションのような幻想的な雰囲気がありました。そこから見える岩には手前が女岩、奥は男岩と名前が付けられており女岩のほうが大きいということを先生から教わりました。万葉集について学習をしているからこそ、かつては家持もこの海岸を訪れこの景色を歌にしたと思うととても感慨深く感じました。運が良ければ立山連峰が見れるそうなのですが、残念ながら私たちが訪れたときには見えませんでした。また、雨晴海岸は万葉集のみならず、源義経や松尾芭蕉の「おくのほそ道」とも関連があります。雨晴海岸にある「義経岩」は、鎌倉幕府の追捕を受けた源義経主従が奥州へ落ち延びる途中、にわか雨の晴れるのを待ったという岩で、地名「雨晴」の由来となっています。

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昼食後、2か所目には十二町潟水郷公園を訪れました。ここは万葉の時代には布勢の水海という大きな湖が広がり、大伴家持が越中の国守として現在の高岡市伏木に滞在していた当時、たびたび訪れて遊覧していました。
家持はここで心の友とピクニックを楽しんだ歌を旧暦の4/24に詠んでおり、私たちが訪れた6/1は旧暦では4/25にあたり、ちょうど日付も重なります。家持も愛したこの季節の伏木は、気温もちょうど良く太陽の暖かさがとても心地よかったです。

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3か所目は田子ノ浦藤波神社を訪れました。ここには境内に大伴家持の歌碑が建立されています。2024年の元日に起こった能登半島地震による被害を受けており、鳥居にヒビが入っていたり階段の手すりが曲がっていたりなどの損壊により、境内に入ることはできませんでした。しかし、とても厳かな雰囲気があり、迫力がありました。

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4か所目は二上山・越中守山城跡を訪れました。二上山は高岡市と氷見市の境をなしている山であり、西峰と東峰の2つに分かれており、東峰が頂上となります。家持もこの二上山に関する歌を多く残しています。頂上からは富山湾などが一望することができます。二上山で鳴く鳥はホトトギスその後には鶯とされ、万葉集ではホトトギスに関する歌が156首詠まれています。また、明治時代を代表する文学者の1人である正岡子規は、鳴き続けて血を吐くという噂まであるホトトギスと、喀血に苦しんだ自身に重ねてホトトギスの別名である子規というペンネームを付けたというお話を先生から伺いました。空気も良く、富山一帯を見渡せる二上山には家持も何か仕事で悩み事があるときに気分をリフレッシュするために訪れたりしたのではないのかなどと思いを巡らせました。

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最後の5カ所目には勝興寺に訪れました。勝興寺の場所は、かつては国府の中心であったとされており、家持が政務を行っていた場所でもあります。古国府城の跡地を譲り受けて寺院を建築したため、広大な敷地と門構えから城郭寺院とも呼ばれたそうです。唐門は京都から持ってきたものであり、どことなく二条城の雰囲気を感じました。勝興寺の七不思議である、水の枯れない池がありますが去年枯れたらしいというお話も伺うことができました。この池の側に建てられている石は越中国勢庁碑であり、その裏には歌が刻まれていました。その後、御本堂の中に入り資料などを実際に見て周り、勝興寺の七不思議の1つである屋根を支える4匹の猿を探しました。少し時間が遅かったこともあり人も少なくゆっくりと御本堂を回ることができ、かつての国府であった場所について見聞を深めることができました。

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1日を通して1番印象に残っていることは万葉歌碑と銅像の多さです。
万葉集がこの土地と深く関係していることを感じると共に、高岡市の伝統工芸でもある銅器と上手く融合して町の伝統が表現されていることを体感しました。

(事務局・高等研究教育院事務室)


今回のトピックスは、以下の塾生が作成しました。
新島塾第期塾6期生 梅田さん(文化情報学部)

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