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トピックス

【新島塾】富山県臨地研修 ~ 2日目 ~

2024年6月26日 更新

6月1日(土)と6月2日(日)の2日間、垣見修司教授(文学部)による「読書からはじまる知の探究」セッションの活動として、富山県での臨地研修を行いました。

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2日目は、高岡大仏(銅像阿弥陀如来坐像)、放生津八幡宮、越中國一宮氣多神社、高岡市万葉歴史館などを巡りました。


朝食後、塾生たちは高岡大仏を訪れました。高岡大仏は奈良・鎌倉の大仏とともに日本三大仏と称されています。承久の乱を避けた源義勝が二上山麓に木造大仏を造営したのが起源と伝えられており、現在の姿は鋳造から着色までの全工程を高岡の銅器職人が担ったものだそうです。街を歩いていると突然その姿を見せる大仏は、高岡の人々の日常生活に溶け込んでいる印象を受けました。

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続いて、放生津八幡宮を訪れました。放生津八幡宮の創始は、大伴家持が越中国守として在任中、九州の宇佐八幡宮を勧請し奈呉八幡宮と称したことであるとされています。神社の裏には「奈呉の浦」と書かれた石碑があり、かつてはそのすぐ近くまで海が広がっていたことを伝えていました。家持が奈呉を詠んだ歌に、「東の風(あゆのかぜ) いたく吹くらし 奈呉の海人の 釣する小舟 漕ぎ隠る見ゆ(巻17-4017)」というものがあります。沖合で吹く強い風の影響で高い波が立ち、釣り人の乗った船がゆられながら波の間に見え隠れする様子が詠まれた歌です。奈良の都から来た家持にとってはとても珍しい風景に思えたため、その様子が歌に詠まれたのだと考えられます。また、富山県では現在も、海上から陸地に向かって吹いてくる風を「あい」「あいのかぜ」などと呼ぶそうです。歌に「東の風」と詠まれていることから、家持が越中の方言に興味を感じて歌に取り入れたことがうかがえます。

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次に、越中國一宮氣多神社を訪れました。氣多神社は、越中国一宮として崇敬高い延喜式内社です。氣多神社の境内には大伴神社が建てられており、家持が祀られています。家持は、越中の風土を都の人々に伝えたいという思いから、越中を代表する「二上山」「布勢の水海」「立山」という3つの景観を「越中三賦」と呼ばれる大作にまとめました。その思いを偲び、大伴神社には、「越中三賦」をかたどった石が配されています。背の高い木々に囲まれた静かな空間で、家持に思いを馳せる時間を過ごしました。

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最後に、高岡市万葉歴史館を訪れました。高岡市万葉歴史館は、万葉集を中心テーマに据えた全国で初めての専門施設です。ここでは、四季の庭や展示室をじっくりと見て回りました。四季の庭には万葉集ゆかりの花木が植栽されており、万葉の植物を目で見て楽しみました。展示室では、家持の見た越中の世界をプロジェクションマッピングで追体験したり、万葉集やその文化、越中国について学んだりして時間を過ごしました。また、万葉仮名を用いて名刺を作る体験コーナーもあり、万葉仮名を一字ずつ選択しながら名刺作りを真剣に楽しむ塾生の姿が印象的でした。体験を通して学ぶ機会に恵まれ、万葉をより一層身近に感じられたように思います。

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次回6月13日(木)は、本セッションの総括となります。「教育における万葉集の位置づけ」「万葉集・文学をどう活かせるか」について、臨地研修1日目の話し合いをもとに個人でまとめ発表する予定です。

(事務局・高等研究教育院事務室)


今回のトピックスは、以下の塾生が作成しました。
新島塾第期塾6期生 池田さん(心理学部)

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