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トピックス

【新島塾】「読書から始まる知の探究」垣見先生セッション_第1回活動

2024年3月29日 更新

作成者を記載しました。
2024年3月28日初出

3月15日の1・2講時に垣見修司教授(文学部)による「読書から始まる知の探究」第1回学習が行われました。

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本日の学習では、1講時に参加者が自己紹介を行い、2講時は万葉集が編纂された当時の時代背景など、このセッションに通底するテーマ「万葉集の世界に触れる」について学びました。
このセッションでは、万葉集や成立時期である古代日本そのものへの理解や現代日本との相違点や繋がりを考えるなど、多岐にわたるテーマがあります。それに加えて、風土や自然、文化的景観そのものについての理解を通じて、教養の獲得や分析力・課題発見能力の向上が期待できます。
垣見教授はむかしばなしの冒頭「おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。」を例に「現代では自然と生活空間とは切り離されている。それに対し、古代日本では、自然は生活の一部として人間と共生していた。」とお話しされました。特に「自然とはなにか」という観点でさらに議論が深められると感じました。

自己紹介では、国語や古典、歴史の知識がどの程度あるのか、そして出身地の歴史に関するエピソードを紹介しました。新島塾の塾生は出身地も多様で、それぞれのまちの歴史を分かりやすく共有しました。「生まれや育った土地の歴史を遡ると、万葉集にゆかりのある場所であることが多い。」と垣見教授は話され、実際に塾生の出身地と万葉集が関連する事例や史跡をいくつか紹介されました。中には知る人ぞ知る知識をジェスチャーとともに披露するなど伝え方を工夫した塾生もいました。また、席が中央付近の人は、全員を見渡せるよう前方に移動して話す気遣いを見せるなど、前日のセッションで学んだ「思いやりのリーダーシップ」が実践されていると感じました。

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2講時は、垣見教授の解説と共に「万葉集」について、背景や現代との繋がりを学びました。最初に「天香具山」について百人一首と万葉集における表現の違いを学びました。例えば、百人一首では「春過ぎて『夏来にけらし』白妙の衣『ほすてふ』天の香具山」と伝聞調で詠われています。しかし、万葉集では「春過ぎて『夏来たるらし』白妙の衣『ほしたり』天の香具山」と完了・存続の助動詞が用いられています。ここでの表現の違いは、『ほすてふ』と『ほしたり』です。『ほすてふ』は、当時の光景を作者は見ていないため、言い伝えで聞いたことを歌にしています。対して、『ほしたり』は、実際に持統天皇が見た光景を歌に込めています。特に興味深かったのは、その歌が詠まれた時、製作者がその風景を実際に見たか人づてに聞いたのかで印象や表現が異なるということでした。塾生の中には、興味深く頷いていた者もいました。その後、本格的に万葉集の背景を学習しました。垣見教授曰く「万葉はよろづよの意。つまり万世に広く伝われという想いを意味している。」ということでした。また、日本の歴史と対照させながら万葉集が詠まれた飛鳥時代から奈良時代中盤の万葉集の歌や「仮託」として扱われた人物についても学習しました。ここでは、垣見教授が万葉集の歌の一部を言い、塾生がその続きを答えるといった時間もありました。塾生によって、万葉集に対する知識量の差がかなり大きいことが分かる場面でした。
最後に、現代に万葉集がどのように用いられているか学びました。特に印象的だったのは、映画「君の名は。」(2016年、新海誠監督)に出てくる歌でした。万葉集は1300年以上経った現代においても形を変えて息づいていて、現代社会にも広く伝わっていると知りました。

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次回のセッションでは実際に万葉集が多数歌われた奈良県明日香村に赴き、学習を行います。「せっかく明日香村に行くのだから歌に詠まれた当時のことを少しでも理解するために、課題図書の66ページから135ページまでよく読んでから参加すること。」と宿題が出ています。次回までに明日香村で詠まれた歌とその背景知識について自主学習を進めたいと思います。


今回のトピックスは、以下の塾生が作成しました。
新島塾第6期塾生 大石さん(社会学部)
新島塾第6期塾生 中村さん(政策学部)
新島塾第6期塾生 田中さん(政策学部)

関連情報 VISION2025 新島塾特設サイト
新島塾の詳細はこちらからご覧ください。

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