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トピックス

【新島塾】「読書から始まる知の探究」服部先生セッション_第2回活動

2023年12月8日 更新

サイトリニューアルのため再掲出
23年10月30日初出

10月5日(木)の5・6講時に、服部篤子客員教授による「読書から始まる知の探究」第2回学習が行われました。

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セッションでは意見交換の機会が多いため、塾生には、幅広い観点から知見を得て自らの意見を持ち、議論する姿勢が求められます。
5構時では、課題図書である『自由と進化ーコンストラクタル法則による自然・社会・科学の階層制』(エイドリアン・ベジャン、紀伊国屋書店、2022年)で扱われる物理法則のコンストラクタル法則について、後藤琢也教授(理工学部)による講義が行われました。物理学のご専門から、著者ベジャンが熱工学の専門家であり合理性の研究をする中でコンストラクタル法則が見いだされたと説明がありました。本書を学ぶうえで必要な平衡、エネルギー、エントロピーなどの解説を聞くことができました。熱力学から、合理の追求がなされる自然において、コンストラクタル法則を基にエにネルギーを効率的に運ぶ構造について学びました。構造の例として、岩石の小片が溶けて惑星を構成する際、比表面積が小さく、エネルギー的に安定で大きな球状になるということや、物質や熱は均一となるように流れるといった移動現象についてとりあげられました。

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また、フィールドリサーチが行われる沖永良部島は、離島という系の中の閉鎖系(外部とエネルギーのやり取りはあるが、物質のやり取りがない系)であること、今回のゼロカーボンアイランドがどのようなモデルとなっているのかリサーチをする重要性や、社会実験をするのに最適な場所であるということも学びました。コンストラクタル法則という物理の法則を学んだことで、都市部と地方や、昔と今の暮らし方など未来をどのようにデザインしていくのか問いを立てるきっかけとなりました。エネルギーは効率的に運ばれるとする物理学のいうように私たちの未来は予測可能なものなのか、フィールドリサーチや事前学習を通して問いを立てて考察し、議論していきたいと思いました。

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6講時は、参考図書『危機の時代こそ 心豊かに暮らしたい』(石田秀輝、ロングセラーズ、2021年)内で取り上げられているリストを用いました。そのリストとは90歳の方にヒアリングをしてまとめた「日本の文化をつくってきた暮らし方の要素」です。具体的な項目には、「自然に寄り添って暮らす」「ハレの日はごちそう」などがあります。塾生は44の項目の中から自分に当てはまるものをチェックし、ほかの学生と共有しました。チェックした数は3~14個までと幅があり、学生間でも日本文化との関わりように程度の差があることが分かりました。その後、我々は沖永良部島で何をゴールとするかを考え、共有しました。ある班は沖永良部島を科学することを提案しました。沖永良部島を脱炭素の実験の場と捉え、沖永良部島から普遍的な法則と特有の前提を見つけることで、ほかの地域でも脱炭素を進めることができます。別の班では、心豊かとは、つまり幸せとは何かをヒアリングを通じて考察したいという案が出ました。

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次回の活動は10月13日(金)に行われます。今回に引き続き、課題図書に関する論点整理や意見交換を行う予定です。また、フィールドリサーチ先である沖永良部島に関する事前学習を持ち寄り、各自が興味を持った箇所や疑問点について議論します。自らの問題意識と知識を塾生内で共有し、現地で理論と実践の両面から未来創造を模索することができるように努めます。

(事務局・高等研究教育院事務室)


今回のトピックスは、以下の塾生が作成しました。
新島塾第5期塾生 巽さん (社会学部)
新島塾第5期塾生 宮本さん (法学部)
新島塾第5期塾生 角名さん (経済学部)
新島塾第5期塾生 内田さん (商学部)



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