トピックス
【新島塾】「小山先生セッション成果報告会
10月19日(土)1・2講時に、小山隆教授(社会学部)による「読書から始まる知の探究」の成果報告会が行われました。
新島塾6期生や大学の先生方などが足を運んでくださり、フィールドワークでお世話になった方々にもオンラインでご参加いただきました。 成果報告会は、事前学習やフィールドワークでの学びを基に塾生が構成し、研究内容によって分けた産業班と民族班の発表に加え、成果報告会に対面で参加してくださった皆さんとの意見交換会を実施しました。
産業班の発表は、次のようなものでした。世界情勢によって食料が届かなくなる事態が想定されるようになったことに加えて、生産においては担い手の不足によって従来の生産方式では食料の安定供給を維持することが難しいという問題があります。それらの問題に対して、さまざまな視点の中から担い手の不足・赤字経営という内容に絞り、特に酪農や食糧の安定供給について研究してきました。結果として、生産者だけではなく消費者にも変化が求められているという結論にいたりました。
フィールドワークで学んだ問題を解決するための糸口は、生産者も経営感覚を身につけること、国民一人一人の食料安全保障を実現することでした。それでは私たち消費者は何ができるのでしょうか。私たちは「知ること」「選択すること」ができます。ありきたりな結論のように聞こえるかもしれませんが、動物性たんぱく質を得られる牛乳や牛乳を用いた商品を購入し、食べることが酪農家の収入に繋がり私たちの体にも酪農の継続にも必要なことなのです。
民族班の発表は、次のようなものでした。アイヌ民族に着目し、差別の原因を探り教育が差別にどのように対応できるのか考察しようと研究してきました。差別は「誰かにとっての必要性」や無知・偏見による無意識が生み出されると考えました。また、教育の観点から見ると断片的なアイヌ民族の知識に留まり、理解するまで至らないという問題があります。フィールドワークを通してこれらの問題に対する示唆を得ました。
「知らない」ということが差別を生みだすということです。また、教育は一律の効果をもたらすものではなく、継続的な取り組みによって文化的な共生を図ることができるということです。この研究によって、マジョリティ側に立つ「私たち」の存在についても問い直すきっかけとなりました。「知って、学ぶ。」ということが差別の問題に対して共生社会に向けた視座なのです。
以上のような全体の発表の後に、成果報告会に来てくださった方を二つの少人数班にわけて産業班と民族班が交互に質疑応答を行いました。内容に関する質問や、このセッションの進め方など様々な質問がありました。
成果報告会を通して、自分が所属していない班の研究に触れることができました。参加者との質疑応答によって、考えを深めることができました。今後はこれまでの学習を通して考察した論文を各班で作成し、活動全体の報告書を作成していきます。
(事務局・高等研究教育院事務室)
今回のトピックスは、以下の塾生が作成しました。
新島塾第5期生 宮本さん(法学部)
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