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【新島塾】「読書から始まる知の探究」小山先生セッション_第6回活動

'22年9月30日 更新
同志社大学新島塾「読書から始まる知の探究」小山先生セッション_第6回活動

8月27日(土)1・2講時に、小山隆教授(社会学部)による「読書から始まる知の探究」第6回学習が今出川キャンパスで行われました。前回は、自分の属する班のテーマについて各自が事前にリサーチした内容を共有し、その内容について塾生たちからのコメントや意見、積極的な(反対のための反対ではない)批判に続き、小山先生にコメントをいただくという形で学習しました。今回は、前回のアドバイスを受けたうえで、さらにグループや個人でリサーチを進め、前回と同様にそれを共有し、塾生による批判と、小山先生からコメントを頂きました。

赤ちゃんポスト班では、慈恵病院の赤ちゃんポストに反対している病院がある、ということが話題に出ました。この背景として、小山先生は「リベラル派と保守派の思想の違いがあらわれているかもしれない」と解説していただきました。保守派はもともとの家の構造を重要視しており、子は親が育てるべきだという考えに従って赤ちゃんポストに否定的であるのに対して、リベラル派は女性の権利保護という考えに従って赤ちゃんポストに肯定的なのだと知りました。赤ちゃんポストの導入にも保守/リベラルという思想の対立があることに、興味深く感じました。

エネルギー班では、前回のセッションで立てた「地熱と地域は共存可能か?」という問いから、地熱発電を運営する企業側と、地域住民の合意形成に必要な要素についての話題が出ました。塾生からは、「地熱発電が再生可能エネルギーであるという公益性だけでは、地域住民にとってのメリットとしては不十分であり、地域住民にとって直接の利益が必要だ」という発表がありました。これに対して小山先生は、「当事者に対するメリットは、結局金銭を渡すしかなく、お金をもらっただけで住民が納得できるのか?という問題がある。また、条件から外れ、お金をもらえない人との間で不公平になるという問題がある」と、インセンティブ論に基づく問題をご指摘いただきました。利害対立者のそれぞれの視点に立って、メリットとデメリットを見極めることの重要性に気づかされました。この他にも、各班が取り上げた問題意識に対して、様々なご指摘をいただきました。

※「コンパクトシティ班」は、事情により班を組み直し、赤ちゃんポスト班か、エネルギー班のどちらかに所属を変え、
活動することとなりました。

また、小山先生から全ての班に対して、「取り上げるテーマがもたらすメリットやデメリットと、なぜそのテーマが論じられるのか?という問題意識を把握する必要性がある。そのうえで、ではどうするのか?という具体的な対策を考えねばならない」という助言をいただきました。リサーチクエスチョンを設定する際や、それに基づいて調査する際には重要な考えであり、その上でリサーチクエスチョンに対して、誰の立場からどのような情報を収集しなければならないか、考えさせられました。

次回の活動は、9月17日(土)です。次回までの課題として、「班単位での事前学習を章立てして整理する」ことと、「当日の仮の予定立て」が課されました。11月末のフィールドワークも近づいてきました。フィールドワークの実施に向けて、現地での具体的な計画を構想していきます。適切な計画を設定した上で、充実したフィールドワークにしたいと思います。
(事務局・高等研究教育院事務室)
今回のNEWSは、以下の塾生が作成しました。
新島塾第3期塾生 野村さん(理工学部)
同志社大学新島塾「読書から始まる知の探究」小山先生セッション_第6回活動

8月27日(土)1・2講時に、小山隆教授(社会学部)による「読書から始まる知の探究」第6回学習が今出川キャンパスで行われました。前回は、自分の属する班のテーマについて各自が事前にリサーチした内容を共有し、その内容について塾生たちからのコメントや意見、積極的な(反対のための反対ではない)批判に続き、小山先生にコメントをいただくという形で学習しました。今回は、前回のアドバイスを受けたうえで、さらにグループや個人でリサーチを進め、前回と同様にそれを共有し、塾生による批判と、小山先生からコメントを頂きました。

赤ちゃんポスト班では、慈恵病院の赤ちゃんポストに反対している病院がある、ということが話題に出ました。この背景として、小山先生は「リベラル派と保守派の思想の違いがあらわれているかもしれない」と解説していただきました。保守派はもともとの家の構造を重要視しており、子は親が育てるべきだという考えに従って赤ちゃんポストに否定的であるのに対して、リベラル派は女性の権利保護という考えに従って赤ちゃんポストに肯定的なのだと知りました。赤ちゃんポストの導入にも保守/リベラルという思想の対立があることに、興味深く感じました。

エネルギー班では、前回のセッションで立てた「地熱と地域は共存可能か?」という問いから、地熱発電を運営する企業側と、地域住民の合意形成に必要な要素についての話題が出ました。塾生からは、「地熱発電が再生可能エネルギーであるという公益性だけでは、地域住民にとってのメリットとしては不十分であり、地域住民にとって直接の利益が必要だ」という発表がありました。これに対して小山先生は、「当事者に対するメリットは、結局金銭を渡すしかなく、お金をもらっただけで住民が納得できるのか?という問題がある。また、条件から外れ、お金をもらえない人との間で不公平になるという問題がある」と、インセンティブ論に基づく問題をご指摘いただきました。利害対立者のそれぞれの視点に立って、メリットとデメリットを見極めることの重要性に気づかされました。この他にも、各班が取り上げた問題意識に対して、様々なご指摘をいただきました。

※「コンパクトシティ班」は、事情により班を組み直し、赤ちゃんポスト班か、エネルギー班のどちらかに所属を変え、
活動することとなりました。

また、小山先生から全ての班に対して、「取り上げるテーマがもたらすメリットやデメリットと、なぜそのテーマが論じられるのか?という問題意識を把握する必要性がある。そのうえで、ではどうするのか?という具体的な対策を考えねばならない」という助言をいただきました。リサーチクエスチョンを設定する際や、それに基づいて調査する際には重要な考えであり、その上でリサーチクエスチョンに対して、誰の立場からどのような情報を収集しなければならないか、考えさせられました。

次回の活動は、9月17日(土)です。次回までの課題として、「班単位での事前学習を章立てして整理する」ことと、「当日の仮の予定立て」が課されました。11月末のフィールドワークも近づいてきました。フィールドワークの実施に向けて、現地での具体的な計画を構想していきます。適切な計画を設定した上で、充実したフィールドワークにしたいと思います。
(事務局・高等研究教育院事務室)
今回のNEWSは、以下の塾生が作成しました。
新島塾第3期塾生 野村さん(理工学部)
関連情報
お問い合わせ先
同志社大学新島塾(事務局 高等研究教育院事務室)
TEL:075-251-3259
FAX:075-251-3152
E-mail:ji-ktken@mail.doshisha.ac.jp
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