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同志社大学新島塾

「●●さんに聞いてみた-修了生」

新島塾での学びによってどのような資質・能力を身に付けることができたか、数名の新島塾修了生に「知識・技能」「思考力・表現力」「学習に臨む意欲・態度」「自分はどのようなリーダーになるのか」等の観点で成果を振り返ってもらいました。

(1期生)
 新島塾での学びを通じて、塾生と共に多くの課題図書を読み議論を重ねたことで、他者の見解に刺激を受けながら物事を多角的に把握する力を身につけることができた。
活動の中で与えられた問いを解くだけでなく、塾生同士の話し合いから新たな問いを立てそれを解くプロセスを考える機会があったが、話し合いが思うように進まない場面があった。そこで、私はグループ内の「まとめ役」となり、テーマや課題に関する塾生の関心と疑問を集約し、認識を共有する中で共通項を新たな問いとして議論を展開した。さらに、議論を深める中で関連する書籍や論文を読むだけでなく、実際に研究者や専門家の方に連絡を取り、意見や考えをヒアリングすることで理論と現実の差異を確認することにも取り組んだ。その結果、与えられた問いに対する答えを導くだけでなく、塾生の目線で考えた問題点や解決策を見出すことができた。この経験から、その場の状況や与えられた課題をただ解決するのではなく、議論や成果をよりよくするためには何が必要か、自分自身で考え行動する力を身に付けることができたと考えている。
 また、幅広い分野の本を読み、議論を重ねたことで、何か物事を考える際に、特定の分野や方向から解決方法を考えるのではなく、これまで学んだ多様な側面から物事を考えることにより、多角的な視点を持ち物事を考える力が身についたと感じている。新島塾での学びは、他者とともに議論を重ね、解決を見出すことで課題解決の「解」は1つではなく、複合的な視点で考察し物事の本質を見極める力が不可欠であることを認識するとともに、専門領域を越えた幅広い知識を学ぶことで新たな視点を持つことができたと考えている。活動を通じて、物事の認識力を拡大し、対応の柔軟性を兼ね備えるようになったことが何よりの収穫だと感じている。
 新島塾を修了し、社会人として働くにあたり活動を通じて身についた「議論より円滑に進めるために自ら動き出す姿勢」、そして「幅広い学問分野での学びから物事を多角的にと捉える視点」を活かしていきたい。仕事をする上で、プロジェクトや与えられた課題を解決するために多角的な視点を持ちながら、より良い方向に導くことができるリーダーとして活躍できるよう新島塾での学びの姿勢を社会人でも活かし、今後も幅広い学問分野の学びを継続していきたいと考えている。

(2期生)
 新島塾で活動した2年間を通して身についた能力について「知識・技能」「思考力・表現力」「学習に臨む意欲・態度」の観点から述べる。
 「知識・技能」については、答えの出ない課題や研究に取り組む際の思考回路及び、自らに欠けている知識について正しく認識することの2点が挙げられる。研究に取り組む際の思考回路は主に、2年目の活動を通して学ぶことができた。先生から頂くフィードバックや発表時のコメントを通して、問題意識を明確にして取り組むという経験を積むことが出来た。また、2年間を通して自らに欠けている知識に気づく機会も多かった。とりわけ2年目の夏合宿の事前学習において数学に取り組んだ際には、大学生に必要とされる数学のレベルと、自身の数学のレベルが乖離していることを強く感じる機会となった。このような知識の欠陥は、学部での勉強だけでは気づくことが難しかったと思う。
 「思考力・表現力」については、簡潔な文章表現及び、相手にわかりやすく説明する力が挙げられる。文章を簡潔に述べることについては、1年目で基礎となる知識を学び、その知識をもとに2年間の活動の中でレポート等を通して繰り返し実践することで向上させることができたと思う。また、セッションの事前学習として他の人の書いたレポートを読むことも、文章表現の観点からも大いに参考になるものであった。発表している際の聞き手の表情や質疑応答の際の質問などから、どのような話し方であれば相手に的確に伝わるのかということを学んだ。
 「学習に臨む意欲・態度」については、自身で限界を決めてしまうのではなく、挑戦しようという気持ちを持つことが挙げられる。新島塾は、向上心や好奇心にあふれ、さまざまなことに貪欲に取り組む人の多い場であった。私が、新島塾に入塾して最も影響を受けたことの一つは、周りの人々の物事への取り組み方である。この取り組み方に影響を受け、私自身も、限界の範囲を簡単に定めてしまうのではなく、挑戦しようと思えるようになった。
 最後に、私は今後どのようなリーダーを目指すのかということを述べる。私は公務員試験を受験し、行政官となって仕事をしていくことを目指している。公務員は、さまざまな立場の人と話し合意を形成していくことが求められる。その際には、新島塾で学んださまざまな視点を持つ他者と議論し、意見を生む際の振る舞いを思い出しながら、円滑な議論ができる場をつくることのできるリーダーになりたいと考えている。

(3期生)
 2020年の入学当初はコロナ禍で、対話の機会も少なかったため、様々な学問分野を専門とする同級生が集まり、議論をする新島塾は私にとって魅力的なものだった。一方で、それまでこれといったリーダー経験もなく、裏方の方が向いていると思っていた私にとって不安も大きかった。
 2年間活動してみて、裏方の方が向いているという思いは変わらないが、さまざまなリーダー像を学んだことによって、自分にあった形で「リーダー」という役割を担うことも出来るという自信に繋がった。そもそも、リーダーというのは私よりも冷静で、熱意が高く、コミュニケーションがうまい人がやるものだと思っていた。このような特性がある人はリーダーに向いていると思うが、新島塾の活動を通して、これだけが目指すべき「リーダー像」ではないことに気づいた。「それぞれのリーダー像」が存在する一方で、リーダーとして共通して必要なこともあると感じる。その一つとして、夏合宿を中心に学んだのが、文理の隔てない「知識」の必要性である。あることについて話し合ったり決めたりするとき、前提となる知識が欠けていれば、偏った情報に基づいて決定を行ってしまったり、誤った情報を正しいと判断してしまうこともあるだろう。文系の学科に属す私にとって、いかにも理系という感じのする数学や理工学系の分野は手を付けるのにハードルが高い。しかし、文理混合の新島塾という環境は、学問の共通点を知り、専門かそうでないかにかかわらず、その分野に飛び込む壁をずいぶん薄くしてくれたように思う。
 また、コミュニケーションの上手い下手とは別に、「伝えようとする」「言語化する」ことも新島塾を通して学んだリーダーに必要な力である。私は人の前に立って話すことへの苦手意識が強く、それが自分はリーダーには向いていないと考える大きな理由だった。しかし、話し合いの後に必ず発表の場が設けられ、それが当たり前の環境に置かれたことで、必然的に発表の数が増した。得意になったとはまだ言えないが、次第に自分の伝えたいこと、今はなすべきことをまとめやすくなり、「話す」ことに対して抵抗が薄れていった。まずは考えを言語化して、伝えようとしなければ何も始まらない。押し付けたり、ただ強く主張したりするのではなく、「伝える」ということの本当の意味と、価値を学ぶことが出来たと感じる。
 今後は「リーダーではない役割を担う人の気持ちがわかる」「リーダーの気持ちがわかる」という両面からチームを支える役割を担いたい。積極性を前面に出した「リーダーらしいリーダー」ではなく、土台をひっそりと整え、語りやすい場をつくっているような「裏方っぽいリーダー」が新島塾で学んだことと、私の性格の融合する部分であるように感じている。

●●さんに聞いてみた
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